遺伝性疾患は、染色体や遺伝子の変異によって引き起こされる病気のことを言います。単に遺伝性と言えど「単一遺伝子病」「多因子遺伝疾患」「染色体異常」といったものがあります。染色体や遺伝子の変異を親が持っていて子に受け継がれる場合と、親に問題がなく突然変異によって遺伝子や染色体に異常が現れるケースの2種類です。親から子供に受け継がれるような場合、代表的な疾患としては「ビタミンD抵抗性くる病」などが挙げられます。
この疾患は、血液中のリンの値が低く、骨に石灰化が起きずに強度が足りなくなることで骨が軟化してしまうのです。遺伝子の変異によって起こることが多く、小児期には成長が障害されるなどの症状が現れます。他にも、血友症や筋ジストロフィーなどのも挙げられます。単一遺伝子病としては、フェニルケトン尿症やメープルシロップ尿症、先天性甲状腺機能低下症などが代表的です。これらの遺伝性疾患を調べるために、新生児全員に行われる血液検査の対象となっています。そのため早期発見早期治療ができます。
他にも、ハンチントン病や筋緊張性ジストロフィーなどは40歳前後になると現れる遺伝子性疾患もあります。単一遺伝子異常でのこの病気の患者の数は多くはありませんが、病気の種類はさまざまです。遺伝性疾患は遺伝子そのものなどが病気の原因となっているため、効果的な治療がないというケースもよくあります。ほとんどの場合が、対処療法となっているのが現状です。